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社会派ドキュメンタリーからコンビ内格差を考える⁉特別招待作品『列車街』『マリリンは知らなかった』舞台挨拶

2019年10月19日(土) レポート

10月19日(土)、TOHOシネマズ二条で【特別招待作品】『列車街』『マリリンは知らなかった』の2本の上映と、トークショーが行われました。

上映の合間に舞台挨拶を挟む形で進行、MC・ロバータが登壇。続いて、『列車街』プロデューサーで脚本も担当したスベンドリニ・カクチさん、応援芸人として紅しょうがが舞台挨拶に参加しました。

開口一番、「東京から来ました。この映画の話を少しします」とカクチさん。日本在住期間は30年近くになるそうで、現在は旦那様と東京で暮らしています。この流れを受けて「大阪から来ました」と、稲田&熊元プロレスがご挨拶。熊元プロレスは「知らない方がたくさんいると、ゆりちゃんレトリイバァと間違えている方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですけれども」と風貌の近さでお客さんを困惑させていないか、不安を覚えていました。

先に上映された『列車街』は、スリランカでは線路脇で生活を営む人々がおり、その暮らしぶりをおったドキュメンタリーです。まず、ロバータから「どういった経緯で制作することになったのか」を、カクチさんに尋ねます。カクチさんが「とてもアバンギャルドな映画を作る人」と称賛する本作監督のブーディー・キアーシセナさんともともと「仲が良かった」ことや、題材となった“列車街”の面白さに魅かれたのがきっかけだそう。“列車街”には先祖代々この地に住み、古くは100年前にさかのぼる一族も。今ではスリランカの都市部が発展し「ピカピカな高層ビル」が立ち並ぶようになり、舞台となったスリランカの大都市コロンボの“列車街”もなくなりつつあるという。そこで「(移り行く)“列車街”の記録みたいな映画にしようと考えて、この映画を作りました」と、制作の出発点を語りました。

カクチさんよりスリランカは言語や宗教が多岐にわたり、様々なコミュニティで構成されていることや、それぞれの文化を越え交流している様が伺えるのも、本作の見どころのひとつと説明を受けた後、印象的なシーンの話題へ。稲田は「電車とあれぐらい近いんですか? 日本だったら問題になるじゃないですか。線路を歩いて、電車にそのまま乗って会社へ行くと言っていた人がいましたけど」と驚くほど、劇中の人々と列車の距離が近いのです。「不思議ですよね」とカクチさんは話し出し、現地では列車の時刻表に合わせて生活リズムを作り、「時計は要らない」とばかりに自由に住んでいる感じがすると街の魅力を語りました。

撮影時のエピソードの話題に。「(被写体は)子どもが中心だったと思うんですけど、『街を出て映画スターになりたい』と言っていた子、そのご両親も喜んでいるんですよ」とカクチさんが朗らかに語ると、熊元プロレスは「普通、カメラがあると緊張すると思うのに、みんな自然だった。和んだ雰囲気やったんやなと思う」と作品のいい空気感を感じ取れたと返します。子どもたちの豊かな表情に感心した熊元プロレスが「わたしたちもロケでインタビューするとなると、一発ギャグとかして笑かして」と、相手の緊張をほぐす方法を明かすも、稲田から「失敗してるで、いつも」と手厳しく突っ込まれてしまいました。苦笑しながら熊本プロレスは「目力がすごかった。うまかったとお伝えください」と、カクチさんにメッセージを託しました。

作品に映し出されていた「格差社会」に紐づけて、「ふたりが格差を感じることは?」ロバータから振られた熊元プロレスは、稲田がオール阪神巨人に特別扱いされていると指摘。「阪神師匠にユニバ(ユニバーサルスタジオジャパン)に誘ってもらったり、巨人師匠に宝塚連れて行ってもらったりしてるんですよ」と相方にバラされた稲田は「ふふふ」と隣で笑みを浮かべます。「私は1回もなくて。(オール阪神巨人のふたりから)ジュースもおごってもらったことなくて」と嘆く熊元プロレスに、「それが格差やって言ってんの?」と稲田はあきれ気味。ロバータが「これはちょっと、ね」と言い淀むと、稲田は「問題になりますか? 映画の(中で扱っている)格差と全然ちゃいすぎて」とレベルの低い内容で、笑い飛ばすしかないといった様子でした。

舞台挨拶後は、『マリリンは知らなかった』を上映。アメリカンドリームを絵に描いたような豊かな生活を送っている家族についての作品。誰もがうらやむ一家の夫には、妻も知らない別の顔があったというショッキングな設定。それを知った時、妻はどう行動に出るかを描きます。

テーマについて、じっくり考えてみたい2本が取り上げられたプログラムとなりました。

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