「スタッフが映り込む映画はない!」ヨーロッパ企画特集上映で、独特の手ざわりのショートムービーを一挙放映!
2019年10月18日(金) レポート
10月18日(金)、イオンシネマ京都桂川では『祇園天幕映画祭連携企画「ヨーロッパ企画特集上映」』が上映されました。
毎年7月15日、祇園祭宵々山の夜、四条通りの歩行者天国に突然現れる野外映画館『祇園天幕映画祭』。今年で11回目を迎え、祇園の新たな夏の風物詩となりつつあります。上映作品も京都ゆかりの貴重な映画・映像など盛りだくさん。『京都国際映画祭2019』では、『祇園天幕映画祭』推薦作品として『ヨーロッパ企画の映画』の上映をおこないました。
上映作品は以下10作品。黒木正浩監督作品の『打つ!涙なむ ~お友だち見つけたら、なんと!?~』、黒木正浩×酒井善史による『ようこそ!龍虎町へ~酒樽史善は卒倒しない~』、小林哲也×角田貴志による『アパート』、鍋島雅郎×土佐和成による『ほんとにあった友達の話』、松宇拓季×石田剛太『憑いてくるコメント』、石田剛太監督作品の『二十一歳の地図』、酒井善史監督作品『21th century Last Day!』、角田貴志監督作品『ふたりは刑事 団地と清正』、黒木正浩監督作品『打つ!涙なむ~気づきへみちびく21言』、柴田有麿監督作品『適度なふたり』です。
この日は、上映のほかにMCにネルソンズを交えてヨーロッパ企画の皆さんとのトークがおこなわれました。
黒木さんの『打つ!涙なむ~気づきへみちびく21言』は「お寺に書いてあるいい言葉だけを5分に詰めようと思った」というもの。『打つ!涙なむ ~お友だち見つけたら、なんと!?~』のスピンオフになります。石田さんの『二十一歳の地図』についてネルソンズ・和田は「ホラーだけどすごくよかった」と絶賛。青山も「芸人の観点からもおもしろかったので、もう5分見たい」とおかわりを希望しました。酒井さんの『21th century Last Day!』に関しては「インパクトがすごかった!」と青山。この作品を撮ろうと思ったきっかけや、シーンが意味するものなど白熱するトークセッション。石田さんがネルソンズに「あの場面はどうでした?」と芸人の視点からの見解を尋ねると、和田がダメ出しをするという一幕もありました。『ふたりは刑事 団地と清正』では、「いかがでしたか?」とネルソンズに先手を打つ角田さん。岸が劇中に出てきたパンに注目したと答えると「そこは一番、観ていただきたいポイントでした」とのこと。和田も「作中にいいメッセージがありました!」と声を弾ませました。柴田さんの作品『適度なふたり』についても「コントみたいな設定ですよね。すばらしい。落ちもすばらしかった」と和田。石田さんも「やっとちゃんと映画を観た感じですね(笑)」とコメント。本作品は「第10回ショートショートムービーフェスティバル 東京大会」でも2位を獲得しました。柴田さんいわく「この順位でヨーロッパ企画内の向こう1年間のヒエラルキーが決まる」そうで、去年は成績が振るわなかったこともあり「どうしても勝ちたかった」と気合を入れて臨んだと明かしました。
その後、黒木正浩監督作品の『打つ!涙なむ ~お友だち見つけたら、なんと!?~』の上映があり、再びトークセッションへ。「数年前からサンリオの辻信太郎社長に影響を受けていて、ちょっとガーリーな作風にした」と黒木さん。青山が撮影する上での思いなどを尋ねると「説教と友情を意識した」とのこと。石田さんは「絶対に相手に当てないアクションが優しい」とご感想を。偶然、撮影中に映り込んだ一般の方の存在にも一同注目、黒木さんも「すごくいい存在感でした」と振り返りました。一方、土佐さんからの「ふすまの隙間からスタッフが見切れていた」というご指摘をきっかけに、「スタッフが映り込むような映画はない」とヨーロッパ企画のメンバーも一刀両断。そのやり取りでも会場は大いに沸きました。
ヨーロッパ企画では現在、“ちゃんとした長編映画”も企画中とのこと、「そちらも楽しみにしてください」と石田さん。来年クランクインすると告げられると、にわかに期待感が募りました。
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