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『黙示録』出版記念特集『その男、凶暴につき』上映&トークショー開催!

2019年10月20日(日) レポート

京都国際映画祭クリエイターズ・ファクトリーのディレクターを務める春日太一氏の最新刊『黙示録』の出版を記念して、文中に登場する作品を上映する特集が組まれました。映画祭最終日となる10月20日(日)、京都シネマでは『その男、凶暴につき』を上映。春日太一氏、作品の製作・原案を担当した京都国際映画祭総合プロデューサーの奥山和由氏、映画評論家の松崎健夫氏によるトークショーも行われました。

上映後、奥山氏は開口一番「久しぶりに見ると傑作だわ」。その言葉に会場からは拍手が起こります。組織対個人というのをやりたいという思いがあったこと、そしてもうひとつ当時社会を揺るがせた事件を含めて、作中のセリフについて説明。松崎氏は「初めて知りました」と驚きの表情です。「深作監督の予定がたけしさんに替わり、そのたけしさんのエキスでちょうどいい感じになってる」と奥山氏。さらに「たけし節が功を奏した、一瞬一瞬の暴力の間がいい」と振り返ると「この話をしてると2時間使う」と笑わせます。松崎氏は、女性が巻き添えになるシーンについて語り、一番好きだというこのシーンの撮影方法などについて奥山氏に真相を質問するなどトークは盛り上がります。奥山氏は「今日はみんなの質問を受けたいと思っていた」と言いつつ、自分のことを書いた本(黙示録)を売るのがこんなに恥ずかしくて、やりにくいものかと感じたと告白。松崎氏と春日氏に、今日は自分の誹謗中傷をして、と笑わせます。

そこから『黙示録』での春日氏とのインタビューの話題へ。奥山氏は春日氏が聞き上手であること、佐藤浩市氏も認めていたことなどを明かすと、春日氏も笑顔。深作監督のインタビューで奥山氏とともにテンションが上がってしまったことなど、春日氏も貴重なエピソードを披露します。奥山氏は「(黙示録を)読み返してみると、どのページも2時間くらい話せる」と言いつつ、「でも絶対に話さない方がいい話は無意識にまたいでる」とも。そこからも春日氏が「文庫化したときに入れたい」と嘆くほど、レアな裏話を連発。奥山氏は「こんな話、山ほどありますよ」とまだまだ話し足りなさそう。それから再び『その男、凶暴につき』を振り返り、「脚本の洗い直しをしたら、セリフがほとんど消えて、決まっていたキャストもどんどんいなくなった」、「たけしさんはスタッフをすごく大事にする人、映画のセオリーもすごく謙虚に受け入れていた」など、当時を回想します。松崎氏は佐々木原保志氏が撮影だったことに触れたほか、ラストシーンについても奥山氏と談義。さらに奥山氏の作品『RAMPO』の音楽についてもトークが弾みました。

あっという間に時間になりましたが、奥山氏は「今度は5時間取りましょう」と、まだまだやる気十分。「『黙示録』が本屋に置いていない!」と話しますが、春日氏が「売れてるからです!」と返し、会場に笑いが起こるひと幕もありつつ、レアな裏話満載のトークショーは終了しました。

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