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いつまでも輝き続ける“キング・オブ・ロックンロール”の魅力をダイノジと再確認!『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~』を上映

2019年10月19日(土) レポート

10月19日(土)にTOHOシネマズ二条で、【京まちなか映画祭連携企画】『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~』が上映されました。

2009年5月、58歳で亡くなった日本を代表するロックスター・忌野清志郎さんが、大阪城ホールで2001年、2004年、2006年に開催した「ナニワ・サリバン・ショー」のライブ映像を基に映画化。ライブがラジオで生中継されているという設定になっています。2011年に公開された本作を、今回はオーディオコメンタリー形式で上映します。コメントをするのは、ロックンローラーのバンヒロシさん、ダイノジ、そしてMC担当のロバータです。

最初にバンさんが「【京まちなか映画祭】で5年前にも1度、ライブハウスで上映したんです。そこから5年経って、今、日本の現状を見ると何にも変わってない、良いこともない。こんな時こそ、清志郎の精神をみんなに知らしめて、もう1度思い出していこうかなと思って」と想いを吐露し、「日本のロックンロールを代表する、“キング・オブ・ロックンロール”だと思っているんで」と言葉に熱を込め挨拶すると、ロバータも「YES!」と深く同意しました。続いてダイノジによるご挨拶。「この映画は観ていないんでけど、(忌野清志郎さんがリーダーを務めた)RCサクセションが大好きで」と大谷。同志社大学出身の恩師の期待を裏切って、RCサクセションのクリスマスライブが観たくて明治大学に進学したという、驚きのエピソードを語り出しました。「(入学した)1991年に活動休止しちゃったので、ずっとRCの影を追い掛けながら、今も生きているというか」と大谷は少し寂し気な口調にトーンダウンしますが、「(忌野清志郎さんに)1回だけ会いました。なぜか北海道のホテルの裏のキッチンで会いました」とニヤリ。するとバンさんも「僕も会ってるんですけど」と大阪のライブハウスのトイレで偶然、隣り合わせになったエピソードを繰り出します。大谷は、「いいな~、握手してください」と、なぞのうらやましがり方。熱烈なファン同士、上映前からすでにヒートアップしています。

ここで、監督の鈴木剛さんから届いたメッセージをバンさんが代読。「監督に上映するよと知らせたら、嫌というほどメールが来たんで」と前置きして、「清志郎の魅力にやられてきたファンの皆様はもちろん、影響されて好きになったミュージシャン、俳優、芸人の皆さんが未だに増え続けているのがほんとに素晴らしいです。『ナニワ・サリバン・ショー』の映画は色褪せないように、何年経ってから観ても楽しめる映画にしたつもりです。きっと今日観ても楽しんでもらえると思います」と監督のたぎるような思いを伝え、「魅力が未だに溢れている清志郎さんを、愛してます!!」と締コメントを力強く代弁しました。

上映の準備が整い、4人もシートに着席。「コメンタリーだからしゃべっても、一緒に歌ってもいいそうです」と大地が上映スタイルを説明して心の準備に。大谷からは監督の鈴木さん情報として、バラエティ番組のコーナー「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」を担当していると伝え、「あれも清志郎イズムのものです」と意味深げにコメント。他の3人は困惑した笑みで「清志郎イズム?」といぶかし気です。

「はじまったら、拍手ではじめます?」と大谷が提案。「ライブですから」とロバータも同意して、「フーフー」と煽ります。映像がスクリーンに流れ出し、「拍手からはじめましょう」と大谷が促し、会場一帯となって鑑賞がスタートしました。

大阪の街並みを背に、「ナニワ・サリバン・ショー」開催を告知する街宣車が通り過ぎていきます。ウグイス嬢を務めるのは、シンガーソングライターの矢野顕子さん。「ライブ映像と、こういうドラマ形式のものが同時進行で。しかもラジオがテーマっていうね」と大谷が解説。矢野さんの姿に大地は、「おお~」と声を上げビックリ。本作にはこの後も、豪華なメンツが次々に登場します。石田長生さん、内田勘太郎さん、木村充揮さん、仲井戸麗市さん、細野正臣さん、布袋寅泰さん、宮藤官九郎さん、斉藤和義さん、清水ミチコさん、竹中直人さん、山崎まさよしさん、Charaさん、トータス松本さん、ゆず、中村獅童さん、松たか子さん、ハナレグミ、間寛平、間慎太郎と名前を挙げ出したらキリがありません。彼らは「ナニワ・サリバン・ショー」出演者や、ドラマパート出演者です。

映画『ブルース・ブラザース』でお馴染み「お前を離さない」での清志郎さん「ガッタ、ガッタ」シャウトは今観てもしびれるパフォーマンスで、大谷は「『ブルース・ブラザース』よりもカッコいいな」とつぶやきます。細野晴臣さんによるベースが聞こえると、たまらないといった具合で「うまい」と大谷は何度も推していました。加えて、細野さんのおじいさまが沈没したタイタニック号の生存者で、生き残っていなかったら細野さんがいなかったという情報も添えます。

「お気に入りの曲は出てきましたか?」とロバータがバンさんに尋ねると「出まくってきてますよ!」と興奮。「トランジスタ・ラジオ」「スローバラード」「雨上がりの夜空に」など、どれも決めかねる名曲揃いです。

上映中、お客さんらは目を輝かせ、スクリーンにすっかり魅入っている様子でした。曲が終われば拍手を送り、「こんな人も!」と映し出される出演者に歓声を漏らしたり、ちょっぴり前のめりな姿勢の方も。思い思いのスタイルで、“キング・オブ・ロックンロール”忌野清志郎の魅力を堪能していました。

上映後、改めてバンさん、ダイノジがコメントを。まず、「この音響で観ると、ライブを体感しているようで良かったですね」と大谷。今もテレビCM曲で清志郎さんの歌声を耳にすることはありますがとし、「流れていない名曲もいっぱいありますから、家に帰ってCDを開けてどんどん聴いていこうと思いました」とバンさんは自身の中でフツフツと熱い想いが沸いてきたのを隠せません。キラキラした表情のバンさんと大谷に挟まれた大地も「正直、ふたりみたいに詳しくなかったので、清志郎さんのことを色々勉強したくなりましたね」とすっかりハマった様子。大谷は「僕はもう感動しました。感動しましたね。あのー、感動しました」と言葉を振り絞り、「もう、(この世に)居ないんだなと思っちゃって」としんみり。「カウンター(カルチャー)の人なんですよね。それが高校生、10代の時に心の支えだったんで。メインストリートと違う人たちのことをちゃんと救っていくというか。冒頭で(会場後方席に向けて)歌った『うしろの奴等のために』はユーモアに包んでいるけど、“らしい”というか」と“清志郎愛”が止まらなくなっていきます。さらに、ダイノジのふたりはクラス内で同じラジオ番組を聴いていたことがキッカケで仲良くなったことから、ラジオ愛に溢れていた本作がより心に響いたようで「素晴らしい映画をありがとうございます」と感激し切りでした。

最後に「楽しんでいただけたでしょうか?」とロバータが客席に投げ掛けると、もちろん客席からは拍手が返ってきました。スクリーンの中と、スクリーンの外のお客さんが忌野清志郎さんによってつながり、一つになったような空間でした。

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