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空気階段・鈴木を大抜擢、シソンヌ・じろうの十八番キャラ「川嶋佳子」の物語を大九明子監督が映画化!

2019年10月19日(土) レポート

10月19日(土)、T・ジョイ京都に『甘いお酒でうがい』が上映されました。本作は、シソンヌ・じろうが長年演じてきたコントの代表的登場人物の一人「川嶋佳子」が主人公。彼女が日記を書いたなら…という設定で描かれた小説『甘いお酒でうがい』の映画化です。

40代独身女性が何気ない日常を綴った1年5ヶ月の日々。恋、亡き母、人生…。彼女が書き留めるのは、誰でも覚えのある人生の悲哀と日常にちりばめられている小さな喜びでした。じろうの卓越なる感性と言葉の世界を、様々な世代の女性の生き様を描いてきた大九明子監督が演出。川嶋佳子役の松雪泰子さんをはじめ、黒木華さん、清水尋也さんらが出演しています。

舞台挨拶に登壇したのは、大九明子監督と、今、注目を集めている若手コント師の空気階段です。アッパレード木尾の司会進行で始まりました。

「今日は観に来てくださってありがとうございます」という大九監督のご挨拶に続けて、「実家に中国の窃盗団がはいったことがあります!鈴木です」「私は両親から仕送りをたくさんいただいています。水川です」と小ネタを交えた自己紹介をする空気階段のふたり。「なぜ舞台挨拶に空気階段のおふたりが?」という木尾の疑問に「僕、『甘いお酒でうがい』に出させていただいていたんです!」と声を張る鈴木。ざわつく会場、ビンゴ大会の司会の役で出ていたそうです。ただ、出演していたのは鈴木のみ。「僕は出演なしで。もぐらが出演すると聞いて悔しかったです」と水川、その悔しさとは舌をかみちぎりそうになるぐらいだったとか!?

シソンヌ・じろうのコントの登場人物を映画化した本作、困難だった点を大九監督に尋ねると「まず、どなたにやっていただくかで映画のカラーが決まるので、じろうさんが演じる川嶋佳子とは真逆、原作に忠実な佳子さんにしようと。風変わりでチャーミングで、人妻でもなければお母さんでもない、ただの40代の女性が綴る素敵な日記文学なので、それを演じられるのは誰かと悩みました」。

じろう原作の作品を撮るのは本作で2本目になる大九監督。じろうの魅力について尋ねる「じろうさんは憑依型で、才能の塊。ちょっと深くしゃべろうとすると距離を感じる。そういうところも好きなので、この作品もあまり詮索せず、ふわっとしたまま撮ろうと思いました」と、未知なる余白も残したとか。主演の松雪泰子さんと共演を果たした鈴木は、テレビなどで観ていた方だけに「松雪さんは本当に存在するんだ」と不思議な気持ちになったと明かしました。「撮影の前日まで高円寺の居酒屋で飲んでいたのに、その翌日には松雪さんにお会いする…自分のキャパがぶっ壊れる音が聞こえました」と、とても貴重な体験をしたようです。

実は、大九監督は空気階段の大ファン。今回は鈴木のみの出演でしたが、早い段階から出演者の一人に空気階段の名前を出していました。「その時点で吉本の社員さんに空気階段を知らないと言われて。もうファンとしてバカヤロウと思って、滔々と説明しました(笑)。ものすごく説明して、出ていただけることになったのでうれしかったです」と笑いを交えながら二人への愛を語る大九監督。

大九監督は、ドラマ『時効警察始めました』(テレビ朝日)でも、テレビと配信各2話ずつ、合計4話の脚本・監督を手掛けており、そのうちの1話が空気階段メインの物語になっているのだとか。「あて書をしているので、どの回かぜひお楽しみにしてください」とお客さんに語りかけます。

『甘いお酒でうがい』は台湾の『高尾映画祭』にも招待されました。台湾ではお客さんと一緒にスクリーンで観て、「川嶋佳子さんの中にある、ほわっとした気持ちに泣いてしまった」と監督。「とても愛しい作品です。じろうさんの才能も爆発しています。映画としても独り歩きを始めているので、また皆様のお口添えで育っていただければと思います」と、さらなる成長が楽しみだと続けました。

「川嶋佳子さんは、妻でもなければ母でもない、ただの40代の女性。私の周囲にもそういう女性が多くて、そんな女性たちが主人公になる映画を作りたいと思っていました。男女問わず、皆さんの柔らかいところに届けばいいなと思って撮りました」と終始、じろう、空気階段、川嶋佳子、映画そのものと、すべての愛に溢れた温かな舞台挨拶を繰り広げました。

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