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JKT48のザラも出演する、インドネシアの映画祭で7冠に輝いたヤンディ・ローレンス監督の『松の木家族』が京都に登場!

2019年10月18日(金) レポート

10月18日(金)、イオンシネマ京都桂川でインドネシアから出品された『松の木家族』が上映されました。

90年代にインドネシアで空前の大ヒットとなった同タイトルのTVドラマが満を持して映画化。手がけたビジネスが成功し、幸せな家庭を築くアバと妻のエマック、そして二人の子供のウイスとアラ。しかし、アバのビジネスが傾き始め、一家は親族から譲り受けた郊外の家に引越しを余儀なくされます。ボロボロの家と電波も入らない田舎という環境に戸惑う子供達。やがてアバの会社が倒産して…。家族の絆、本当の幸せとは何かという普遍のテーマを描いた作品で、インドネシアの映画賞『Piala Maya 2019』では、監督部門、長編映画部門、音楽部門、ストーリー部門など10カテゴリーでノミネートされ、7冠に輝きました。

短編作品の監督としてキャリアをスタートさせたヤンディ・ローレンス監督。2018年には『XYZ Day』にて年間最優秀広告賞受賞という経歴も。家族や人物を描く作品で高い評価を得ており、そのことが長編初監督作品として今作を手掛けることにつながりました。

上映後の舞台挨拶にはヤンディ・ローレンス監督をはじめ、ウイスを演じたアディスティ・ザラさん(JKT48)、インドネシア住みます芸人のザ・スリー・濱田大輔、そこらへん元気、応援芸人のトットが登場しました。

司会を務めたのはロバータ。まずはローレンス監督より「今日は来ていただいてありがとうございます。この映画をシンプルに楽しんでいただくことはもちろんですが、家に帰ってから改めてご自身の家族の温かさを実感してくれたら嬉しいです」とご挨拶がありました。次に「皆さんこんにちは、ウイスを演じているザラです。今日は他のキャストを代表して京都に来ました」と自己紹介がありました。

続けて低めのトーンで落ち着き放って話し出す桑原に「いや、俳優さんのトーンになってる!」と多田がつっこみ、会場を沸かせます。そんな多田は「ナイスゥ!」と元気よくご挨拶。インドネシア住みます芸人の濱田と元気もご挨拶。インドネシアに住みます芸人になって4年のふたり、現地ではYoutuberとしても活躍しており、現在は30万人のフォロワーがいるという有名人です。

まずはヤンディ監督に『京都国際映画祭』で上映されたご感想を尋ねると「本当にうれしい」と笑顔を見せました。「この映画を通じて、皆さんがもっと家族と仲良くできたらと願っています。家族にはいつも問題がつきものですが、お互いを思いやる気持ちや愛があるのも家族の力だと思います」と、映画のテーマを語られました。

JKT48のメンバーとしてアイドル活動もしている16歳のザラさん。京都は初めて訪れたということで、舞台挨拶でイオンモール桂川に来場する前は浴衣で京都観光を楽しんだとか。ザラさんには女優として活動するという夢もあり、『松の木家族』の出演は一つの夢がかなってうれしかったと声を弾ませました。「初めてメインキャラクターを演じましたが、ヤンディ監督がいろんなサポートをしてくれたり、新しいことを教えてくれたり、他のキャストにもサポートされて、大変なことも乗り越えられました」と充実した表情を浮かべました。

撮影期間は悪天候に見舞われることもあり、強風のなかでの撮影もあったそう。当時を振り返るヤンディ監督とザラさん、今となってはいい思い出か、顔を見合わせて笑う姿もありました。「強風でカメラ用のテントや物が飛ぶこともあったのですが、だんだんスタッフも慣れてきて、カメラマンはカメラで撮影しつつ、もう片方の手でテントを押さえたり、僕もモニターを見ながらテントを押さえていました。寒い日はキャストのみんながギュッと抱き合ったりして、仲が近くなりました」とヤンディ監督。そんな状況も本作に描かれる家族の姿に好影響を与えていたのかもしれません。

住みます芸人のふたりに作品の感想を尋ねると、「両親のことを思い出しました。インドネシアに行ってから全然帰ってなくて。今回初めて帰省するので、この後実家でお母さんを抱きしめたいと思います!」と濱田。元気は住んでいるからこそわかる場面があったと、そのポイントも教えてくれました。「近所の人がおかずを持ち寄って食べるシーンもインドネシアではあるあるですし、現地では給料の支払いが遅れると翌日から立ち行かなくなる家庭もたくさんあって、支払いの遅延はあり得ないこと。日本では実感しづらいことかもしれませんが、そういった場面など、インドネシアに住んでいるからこそわかるシーンがたくさんありました」と文化や社会の特色など伝えました。

トットのふたりには家族の愛を感じたことを聞いてみました。「こう見えて反抗期もあったんですよ」と桑原。「母親にひどいことをたくさん言ってしまいました…。1回、消えろや!!って言ったら、ドロン!と言ってどっか行きました」と母の方が1枚上手だったと笑わせます。芸人になることを父に猛反対されたという多田。ある日、母から「お父さんの枕元を見てみ」と言われて覗いてみると、「吉本興業とは」という本が置いてあったとか。「父親なりに息子が行こうとしている世界を知ろうとしてくれていたんですね」としみじみ語りました。

トークの最後はザラさんと監督から一言いただきました。「『松の木家族』を観に来てくれてありがとうございます。この映画から少しでも伝わることがあればうれしいです。皆さんが幸せになるよう願っています」とザラさん。最後はヤンディ監督の「観てくれてありがとうございました」と力強いご挨拶で締めました。

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